小説「捨てたい人 捨てたくない人」(群ようこ)捨てることの難しさ

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群ようこさんの小説大好き!
豆大福です

群ようこさんの小説は、
興味のあるものばかりです。

というか、群さんは次々と作品を
刊行されていますよね!?

とってもお忙しそう…と勝手に心配している
豆大福なのでした(;^_^A

今回は、2024年に刊行された
「捨てたい人 捨てたくない人」について、

あらすじや読んだ感想などをレポートいたします!

2024年3月6日 
幻冬舎より単行本発売中
目次

あらすじ

身内や自身の身の回りの品を片づけようと、
奮闘する人々を描いた連作小説です。

5つの作品で構成されています。

1「捨てられない姉 捨てさせたい妹」

主な登場人物

トモコ
(主人公)
43歳・独身。小・中・高・大学とすべて公立校を卒業。そして全国展開しているスーパーの経営会社に就職。問題が起きない限りは、定年まで勤めようと思っている。
マイトモコより14歳年下の妹。赤ん坊の頃から天使のように可愛く、両親に溺愛されて育つ。私立大学の付属幼稚園に通い、大学卒業までそのまま進学。卒業と同時に起業家と結婚した。

一人暮らしをしているトモコ。
通勤に便利な場所に引っ越そうとしています。

トモコを訪ねてきたマイ。
彼女は手伝いもせず、あれこれ話かけ
様子を見ているばかり。

クローゼットの中身を広げ、
なかなか捨てる服を決めることが
できないトモコ。

マイは、そんなトモコに「服を着て見せて」と
急に真顔で言うのでした…。

2「息子の嫁の後始末」

主な登場人物

タダシ
(主人公)
定年退職している身。4年前に息子が同僚の女性と婚約し結婚。孫も生まれた。
タダシの妻更年期障害がひどく体調不良気味。

タダシは息子夫婦の家に一人でいました。

何故かというと、息子の妻が残していった数々の
物を片づける為です。

息子の妻は、ある日突然幼い子を残し
姿を消しました。

先方の両親が言うには
「好きな男性ができたからだ」とのこと。

彼女の居場所が分からないまま、
息子に地方転勤の辞令が下ります。

息子は住んでいた家を出て、
子どもと一緒に地方へ移り住みます。

子どもと2人だけで暮らせる状態ではないと、
タダシの妻がサポートに行きます。

そして、今まで住んでいた息子たちの部屋を
タダシが片づける羽目に。

息子の妻が残していった大量の荷物を前に、
タダシは辟易するのでした。

3「本好きとフィギュア好きの新居問題」

主な登場人物

サエコ
(主人公)
33歳の会社員。ヤマダと半年後に結婚予定。本が大好き。部屋には大き目の本棚が5つあり、廊下にも本棚が4つ。全ての本棚に大量の本が詰め込まれている。
ヤマダ
ヨシノリ
サエコと同期入社。就職試験で一緒だったサエコが気になり、毎日のようにサエコをランチに誘っていた。フィギュア、ガンプラ好きで部屋の全壁面にショーケースを置いている。

ヤマダとの結婚を控え、
サエコは大量の本を片づけなければなりません。

サエコは特に結婚願望はなく、
本を読む時間も確保したいので、
事実婚をヤマダに提案。

しかし、ヤマダは結婚するのであれば、
一緒に住まなければおかしいと反対。

一緒に住むことに決まりましたが、
お互いに本やフィギュアを手放すことが
できません。

仕方なくサエコは多少手放し始めますが、
ヤマダは一向に捨てる気配がありませんでした。

サエコはそんなヤマダに
「婚約解消だ」と言うのですが…。

4「溜め込みすぎる母」

主な登場人物

トモミ
(主人公)
実家から新幹線で1時間くらいの場所に住んでいる。父は銀行員だったが、高校生の時に突然死した。3歳違いの兄がいて、家族と遠方に住んでいる。困ると母に呼び寄せられ、仕事が忙しい中なので疲れている。
72歳、夫に先立たれ独居生活。学生の時に見合いをし、卒業後すぐ結婚したので、会社勤めの経験はない。夫が亡くなってからは、贅沢をしなければ、大丈夫だと家にそのままいた。積極的に友人を作るタイプではない。

トモミは実家に向かいました。
母から呼び出されたからです。

なかなか用事を言わない母にイライラしながらも、
用件を言うよう促します。

今回の用件は、
大量に溜め込んだ食料品の整理でした。

缶詰やレトルトカレーが沢山ある中、
カップ麺が396個も出てきます。

母の言い分では、非常食として買っていたら、
このような事になったとのこと。

トモミは怒りながらも、
在庫をどう処分していくか考えることに
なったのでした。

5「夫の部屋」

主な登場人物

アイコ
(主人公)
短大を卒業した後、3回見合いをして最後に会った今の夫と結婚した。勤めていた会社が高給で安定していたのと、性格が明るいところが気に入ったから。しかし結婚後、夫が女性を見ると次々に声をかける男だと分かる。
アイコより5歳年上。女性が大好きで道ですぐに声をかける。娘の中学受験の時に不倫疑惑が持ち上がる。60歳で定年退職した。
ナオミアイコ夫婦の娘。節操のない父を見て、小学校の高学年から父を「あの人」と呼ぶようになる。不倫を黙認している母を見て、我慢している女性の為に行動したいと法学部を目指す。

アイコの夫が入院することになりました。
検査入院の為の入院です。

夫は、相変わらず女性の看護師さんに
ちょっかいを出しています。

ナオミが中学生になった頃に夫の不倫が発覚。

ナオミが父の携帯メールを盗み見て、
アイコに見せたのです。

アイコはどうしたものかと様子を見ながら、
何も対応してきませんでした。

そしてナオミは大きくなり、
今回の夫の入院となったのです。

「復讐のチャンスよ」とナオミは言います。

夫が絶対に家族を入れなかった、
夫の部屋にアイコとナオミは入っていくのでした。

そこでアイコとナオミが見たものとは…。

豆大福の感想

なかなか捨てられない物、物、物…。

豆大福も捨てられない物が沢山あるので、
読んでいて他人事とは思えませんでした。

この小説を読んで、1番に思ったこと、それは

他人の物はすぐに捨てられる、
自分の物はなかなか捨てられない。

ということでした。

特に3章「本好きとフィギュア問題」を読んで
そう感じました。

豆大福も大好きな本やCDの処分が
なかなか進みません(;^_^A

それでも本は最近随分と処分したのですが、
CDは手放せない物も多い!

なかなか手に入らないかもしれないものは、
特に手放せません…。

豆大福のCDの1部 
これが何段もあって手放せません(;^_^A

それに比べて、
人の物は思入れがないのでサクサク手放せます。

以前、親の片づけを手伝ったことがあります。
本や買った絵、CDを主に片づけました。

自分で買ったものではないと、
こんなに思い切って捨てられるのだなぁと
びっくり。

(もちろん親に了承を得て捨てています。)

自分で買ったものは、買った経緯や思い出が
詰まっていて、なかなか手放せない。

3章では、その心情が
良く描かれていたと思います。

結婚か自分の好きなものか…
どちらも選べればいいのでしょうが、
そうはいきません。

相手への愛情が試されそうですね(笑)

4章の「溜め込みすぎる母」も
他人ごとではない心情で読みました。

現在のところ、実家の親は物を溜め込んでは
いませんし、家も綺麗です。

(一度、一緒に片づけをしたので…
ということもありますが。)

しかし、もっと親が高齢になってきた時、
どうなるか分かりません。

物を買うという行為は、心の穴を埋める
といった行為の場合もあります。

寂しさや不安から物を大量買いする
可能性もあるかなと。

豆大福も、仕事が忙しい際、
ストレスで爆買いをしてしまい、
後から後悔したことがあります。

4章「溜め込みすぎる母」も
不安で食べ物を買い込んでいました。

ストレスや不安にならないように、
親のフォローもしていかなきゃなぁと
考えさせられました。

物や人との付き合い方を考えさせられた、
そんな小説でした。

5章に分かれていて、
とても読みやすい小説でしたよ♪

オススメの片づけをしたくなる本2選

ここからは、豆大福が読んだ本の中で、
片づけをしたくなった本を2冊ご紹介します!

あなたの人生、片づけます

「老後の資金がありません」等、
身近な問題を取り扱ってきた
垣谷美雨さんの小説です。

片づけ屋・大庭十萬里が人生に問題のある
人々の片づけを請け負います。

30代の社内不倫に疲れたOLや、
妻に先立たれた老人など、
原因を探りながら汚部屋を綺麗に再生!

やっぱり片づけられない原因は、
心の問題にありそうだと考えさせられました。

物ときちんと向き合うと、
自分の心とも向き合うことになりそうだ…
と感じる1冊でオススメです。

家事か地獄か

独自の生き方で話題の、
稲垣えみ子さんのエッセイ。

こちらは実家の母が貸してくれたのですが、
とても興味深かったです!

50歳で脱サラし、住まいや持ち物を
どんどん小さくしていっている稲垣さん。

その徹底的に実践している様が
勉強になりました。

元々新聞社で勤めていたからか、
文章が読みやすくスルスルと読めてしまいます。

掃除機や洗濯機、炊飯器や
最終的に冷蔵庫まで手放したとのこと!

便利家電を捨て去る潔さに脱帽です。
(豆大福はここまではできませんが…)

全て真似はできなくても、
片づけのヒントが詰まった1冊。
こちらもオススメです!

まとめ

今回は、群ようこさんの小説
「捨てたい人 捨てたくない人」をご紹介しました。

片づけは、生きている限り
永遠のテーマだと思います。

そして、自分の人生を見つめなおす、
奥の深い事柄だとも感じました。

これを機に、更に片づけを頑張ろう!
そう思えた小説でした。

小説選びの参考になれば幸いです。

  • 小説「捨てたい人 捨てたくない人」
    (群ようこ)5章で構成された連作小説 
  • 他人の物より自分の物を片づけることが
    如何に大変か、改めて思い知らされた
  • 他にオススメの片づけ本は
    • 「あなたの人生、片づけます」
      (垣谷美雨)
    • 「家事か地獄か」
      (稲垣えみ子)

最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

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