【本】津村記久子「うそコンシェルジュ」2024年発売の新刊は11の物語

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津村さんの書く話は、身近に
ありそうで面白い!

「この世にたやすい仕事はない」を読んで以来、
津村さんにハマってしまいました。

OLを経験したことのある著者だからこそ、描ける
社会人あるある。

津村さんの本には、「共感」があるから面白いんだ
と思います。

今回は、そんな津村さんが2024年に出された
新刊を読んだ感想などをブログにしました。

↓うそコンシェルジュ↓

↓以前まとめた津村さんオススメ本ブログ↓

目次

あらすじ

日常の些細なことをやり過ごす…「自分に似た人」
を見つけることができる11の物語が入っています。

表題作の「うそコンシェルジュ」は、続編の
「続うそコンシェルジュ」も入っています。

みのりは、たまたまうそをつき、それを姪の佐紀が
知ります。

佐紀は、自分もうそをつかないといけなくなった
ので、うその内容が大丈夫か意見を聞きたいと
言ってきます。

そうしているうちに、何故か「うそ請負人」と
なったみのり。

自分や他人を守るためのうそとは…。
みのりが人助けの為にうそを考え奮闘する
物語です。

その他、人間関係の憂さを特殊な方法で発散させて
いる中山さんの話。

定年を迎える丸岡さんの送別会をする店探しに
奮闘する横井さんの話。

日常にありそうな、ちょっと困ったことを何とか
やり過ごす様が描かれた物語。

感想

表題作「うそコンシェルジュ」と
「続うそコンシェルジュ」が特に面白かった
です!

基本的にみのりはいい人。
人が困っていると放っておけない性格なんだと
思います。

佐紀がサークルの人間関係に困り、疲れ、うそを
つかなくてはいけない状況になります。

佐紀が考えてきたうそは、みのりから言わせると
0点。そこで、一緒にうそを考えることになる…
といった感じ。

うそで佐紀の窮地を救い、他の人からも「うそを
一緒に考えてほしい」と頼まれるようになります。

うそをつくって悪いことだと思ったけれど、本人が
それで救われて生きやすくなるのならば、
必要なうそもある。

みのりのような、他人にここまで親身になって
くれる人がいたら心強いだろうな。

「うそコンシェルジュ」いたら、自分も相談
しちゃいそうだなと感じました。

その他の10編も「何だかこんなことありそうだよ
な~」とか、似た経験があったり。

身近にありそうな話が多かったです。

1編目の「第三の悪癖」に出てくる主人公は、
友人の長話を永遠と聞き続けて疲れています。

「もう無理だと思う。自分で認めたくはないけれど
も、こいつならいくらでも話を聞くと馬鹿にされて
いるとも思う。」

こんな一文が出てきました。

辛い時期に支えてもらったこともあった友人。

なるべく話を聞こうとするけれど、簡単に肯定
できないことを打ち明けられます。

この件、自分にも覚えがあって「分かるな…」と
思ってしまいました。

職場の愚痴や不安や不満を2時間くらい電話で話す
友人が以前いて、疲れてしまったんです。

次の日仕事だったりすることもあって、貴重な
仕事後の2時間が話を聞くことに潰れるという…。

たまにならいいんですけど、結構な頻度で続いた
時に、もう距離を置こうと思いました。

「いくらでも話を聞くと馬鹿にされているとも
思う」って、自分も感じたことだったので、
この一文にびっくり。

私か!?って思っちゃいました(笑)
津村さんは、日常の些細なことをくみ取る人
なんじゃないかな。

小説を読んでいて、そう思いました。

11編、色々な立場や年齢の人が出てくるので、
読んでいて面白かったです。

↓うそコンシェルジュ↓

まとめ

今回は、津村記久子さんが2024年に出された
新刊についてご紹介しました。

身近にありそうな話を、細やかにすくい取った作品
だと思います。

何だか生きづらいな…という方は、読んでみると
どこか共感できるかも。

皆さまの本選びの参考になれば幸いです。

最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

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