
以前出版された益田さん作品、読んでみました!
2010年に発売された「ほしいものはなんですか」。
発売されているのは知っていたけれど、読んでいなかったのです。
2010年発売当時、私は20代半ば。
まだこの世界観は分からないだろうと思っていた。
それが今は、ドンピシャのアラフォー!
心にすごく刺さりました。
今回は、悩める2人の女性が出てくる「ほしいものはなんですか」をご紹介します。
「ほしいものはなんですか」って
どんな本?


著者:益田ミリさんについて
1969年大阪府生まれのイラストレーターである、益田ミリさん。
京都芸術短期大学在学中は、油絵を学んでいたとのこと。
26歳で、イラストレーターになるため上京。
2001年「OLはえらい」でデビュー。
2006年「すーちゃん」で注目を浴びます。
「すーちゃん」シリーズ、「僕の姉ちゃん」などが映像化され、話題に。
2024年「ツユクサナツコの一生」で第28回手塚治虫文化賞短編賞を受賞されました。
漫画、エッセイ、小説と、現在も多数の作品を世に送り出し続けている方です。
↓「すーちゃん」は何度も読み、
「ツユクサナツコ~」は、泣けた…↓




あらすじ
ミナ子は専業主婦の40歳。夫と娘のリナと3人暮らし。
幸せだけれど、何だか物足りない…ほしいものは「存在感」。
タエ子は独身の35歳。ミナ子の義理の妹です。
結婚、仕事…不安や不満もあります。ほしいものは「保証」。
リナは、母のミナ子やたまに会うタエ子に問いかけます。
「ママ、40歳は嫌なの?」「どうして若いほうがお得なの?」
「大きくなったら何になりたかったの?」ミナ子、タエ子の答えは…。
悩める2人の女性に、少女が大事な物を運んできます。
どんな読者におすすめ?
一番刺さるのは、アラサーやアラフォー女性だと思います。
専業主婦、独身、どちらの視点も書かれているので、様々な状況の方が自分を重ねられそう。
娘・リナの言葉がなかなか深くて、考えさせられます。
読後の感想など


共感したキャラや場面について
私はアラフォーですが、独身で子どもがいないので、タエ子により共感しました。
共感した場面は、タエ子が同僚から仕事を頼まれた件。
同僚の子どもが熱を出したので、明日は彼女の分まで仕事を頑張るとなります。
「残業だな」「困ったときはお互い様」と思う反面「圧倒的に助ける回数が多い気がする」とタエ子。
これはね、あるあるですよね。
私も「あれ、彼女の仕事なはずなのに、私がほとんどやっている…」みたいなことがありました。
しょうがないんですけれど、でも、独身だからいいでしょって空気が「なんだかな」と思ったな…。
その空気間、「すごく分かる!」となりました。
ミナ子にはミナ子の悩みが、タエ子にはタエ子の悩みがあります。
読んでいると、どちらも満たされない思いがあって、お互いにお互いを羨ましがっている…。
「隣の芝生は青い」ってほんとそうで、誰にでも悩みがあるって分かってるけど羨ましく思っちゃう。
「私はこれで満足だ!」と心から思えた時、誰かを羨むことはなくなるのでしょうね。
つい最近、子どもがいて働いている幼馴染に会いました。
すごく頑張っていると思った…私より頑張ってるな、えらいなと思った。
でも、私だって頑張っているんだ、比べるものじゃないし、それで落ち込んだりしないようにしようと。
状況が違うだけで、何かと対立することが多い世の中だけれど、仲のいい人とは対立したくないな。
(仕事では、やっぱりイラっとしちゃうこともあるけど(;^_^A)
アラフォーになって読んで、やっぱり良かったと思えたのでした。
娘・リナの視点にハッとする
子ども視点で、「なんでだろ?」と思っていることに、何度もハッとさせられました。
例えば、ミナ子が「ふたり目は?そろそろ生まないと」「ひとりっ子じゃかわいそうよ~」と近所の人に言われた場面。(余計なお世話じゃ)
ミナ子はリナに「きょうだいほしい?」「ゴメンね、ひとりっ子で」と言います。
リナは、“大人って「かわいそう」に振り回されてる”“「かわいそう」が怖いのかな?”と思います。
自分の意見より、他人の意見に振り回される大人を見て、冷静に分析するリナ。
自分が気にしていることは、言われると特にグサっときたり、イラっとしたり。
子どもから見ると、不思議な光景なんでしょうね…こんな感じで、ちょっとしたあるあるシーンが深いんです。
リナの視点や思い、大人に投げかける質問に、ハッとさせられる大人。
自分もリナの質問に、ハッとしました。
なかなか奥深い漫画です。
益田さん作の漫画キャラが登場!
少しだけ、益田さん作「すーちゃん」シリーズのさわ子が出てきました!
ミナ子の友達という設定です。
違う漫画のキャラが出てくると嬉しくなる。
因みに話の流れから、「すーちゃん」シリーズ2巻目「結婚しなくていいですか。すーちゃんの明日」直後のさわ子を描いている感じでした。(ちょうど2巻目のさわ子が40歳。同級生とかかな?)
こんな感じで、違う漫画も読んでいると、キャラのその後が分かって面白いのでした。
まとめ
今回は、以前出版された益田さんの漫画をご紹介しました。
自分がアラフォーになって「分かる…」と思え、共感できたり考えさせられた漫画です。
アラサー、アラフォーのモヤモヤしている時、読んでみると共感できそう。オススメです。
皆さまの本選びの参考になれば幸いです。
- 益田ミリ「ほしいものはなんですか」2010年に発売された漫画。
- 40歳専業主婦ミナ子と35歳独身女性タエ子、2人の悩める女性が出てくる。
- あるあるな話が多く、アラサーからアラフォーあたりは特に共感できそう。
- ミナ子の娘・リナの視点や大人への質問に、ハッとさせられた。
- 「すーちゃん」シリーズに出てくる、さわ子も登場!
最後までお読みいただき、
ありがとうございました!
↓益田さん著 40歳独身会社員の話↓


↓益田さん著 20代、30代、40代
3人のマリコが主人公のお仕事漫画↓

