漫画「ツユクサナツコの一生」(益田ミリ)32歳独身女性を描いた作品

当ページのリンクには広告が含まれています。

益田ミリさんの漫画、
いいですよね…

益田ミリさんの漫画は、
ついつい手に取ってしまいます。

そんな中、嬉しいニュースが
飛び込んできました!

「ツユクサナツコの一生」が
第28回手塚治虫文化賞の短編賞を
受賞されたとのこと。

大好きな漫画家さんが賞をとることは
嬉しいです♪

今回は益田ミリさんの名作
「ツユクサナツコの一生」を
レポートいたします。

目次

あらすじ

32歳、独身女性のナツコが主人公です。

彼女はドーナツ店でアルバイトをしながら、
漫画を描き続けていました。

母は5年前に他界し、父と実家で二人暮らし。
姉は実家を出ています。

コロナの世の中も長くなり、
マスク生活も2度目の春となりました。

時にモヤモヤし、誰かの何気ない言葉に考え、
ナツコは「いま」を漫画にしていくのでした。

ナツコの淡々とした生活が
続いていきますがーーー。

新潮社より単行本発売中 

豆大福オススメポイント

このマンガを読みながら、
途中で泣きたくなったり、
じんわり温かい気持ちになりました。

淡々とした内容の中に、
グッとくる言葉などが詰まっていた、
そんな漫画。

豆大福が「ツユクサナツコの一生」で
オススメしたいポイントは3つあります。

コロナ禍あるあるを描いている

誰もが初体験のコロナ禍。

例えばナツコがバイト先で考えるシーン。

「昨日辞めたバイトの子、
結局マスクの顔しか知らんままやったな」
というセリフがあります。

豆大福も職場でマスク姿しか知らなかった人が、
マスクをとると「意外とイメージ違った」と
思ったことが(笑)

ということは、
相手にも同じことを思われているはず!

マスクをとった姿が悪い印象だったら嫌だなぁ
と思い、マスクをとることが怖くなりました。

ナツコのバイト先の元後輩。
大学がオンライン授業となり、
ゼミ仲間とは画面越しの会話。

なんて寂しいのだろう…
煩わしさはないかもしれないけれど、
友達作り、恋、サークル活動等全てなしに。

そんな現実をサラっと漫画に組み込んでいます。

今はマスクをとり、
大学などの授業も再会したけれど、
これが「当たり前」ではないんだと、
思い出させてくれました。

ナツコが描く漫画に共感

主人公ナツコは、日々思ったことを
漫画に取り入れています。

例えばバイト先で認知症らしき高齢男性が
現れた時のこと。

常連だった男性が
「なにしにここに来たんでしたかな」
と言います。

そこへ男性の娘が慌てて駆けつけ
「最近もの忘れが始まって…」と
ナツコに言うのでした。

後で同僚と
「ちょっと前までしっかりしてはったのにねぇ」
「ホンマにやさしい人でしたよねぇ」
と言い合います。

「やさしい人でしたよねぇ」と
過去形で言ってしまったナツコ。
自己嫌悪に陥ります。

認知症になったからといって、
その人の人生が終わったわけではない。

その思いを漫画にぶつけます。

漫画の中の主人公は、おはぎやの店主。
彼女はもの忘れをした常連男性に対して、
安心させる言葉をかけるのでした。

このように、日々起こったことを
漫画に取り入れていくナツコ。

ナツコの日常と、ナツコが描く物語を
交互に見ることができます。

漫画の中の漫画でナツコの本音が垣間見られ、
共感するところが多数ありました。

ほわっと温かくなったり、
ちくっと心が痛くなったりする、
誰にでも心あたりがあることを描いています。

人の生と死について考える

ナツコは母を亡くしています。
所々で母がいた時のことを思い出します。

例えば、母の声について。
ナツコはこう思います。

「覚えてるって脳ミソの仕組み
どうなってんのやろ」
「目にも見えんのにどっかから引き出せるって」

確かに…豆大福も近しい人を
亡くしているのですが、
同じことを思った覚えがあります。

顔は写真で思い出せるけれど、
声って動画でもないかぎり思い出せません。

写真は残っていますが、
動画ってなかなかとらなかった。

とすると、その人の声って
忘れちゃうんじゃないかと焦りました。

でも意外と覚えているものです。
豆大福も今でも覚えています、その人の声。

「記憶てすごいなぁ」ナツコの呟きに
かなり共感しました。

また、コロナで亡くなる人を
数字で表すことにも言及。

“昨日の感染者数、亡くなった人の人数”と
ナツコは思い浮かべます。

「数字が減ったゆうて喜んでも、
亡くなった人はおるのやし」というのでした。

これにも共感。
確かに「減ってきてよかったね~」なんて
のんきに言っていましたが、全然よくない。

人数で一喜一憂する、コロナのあの時の感じ、
なんだか変でしたね。

最後の方は、ナツコ自身の生と死についても
触れます。(ネタばれになるので詳細は言いませんが…)

これにも考えさせられました。
ずっと続くと思う人生、
でもいつ終わるかわからない。

そんな当たり前のことをこの漫画で
再確認できたような気がします。

読み終わった感想

とにかくこれだけは言いたいです!

この漫画は外で読まない方が良いと思います。
家でひっそり読むべきかと…。

何故ならば、豆大福2回読んで
2回とも号泣したからです(;^_^A

2回目はどうなるかが分かった状態でしたが、
それでも泣きました。

なんだか、途中思い当たることがあったり、
自分と重ね合わせたりしてうるっとくるんです。

号泣するアラフォーという、
誰も見たくない姿を隠すことができて
良かった(笑)

漫画自体はいつもの益田ミリさんな感じで、
淡々と日常を描いています。

でもどこか物悲しい感じが漂っていました。

32歳独身女性の日常ですが、
ほかの年代の方が読んでも
どこか共感できるのではないかなと。

この漫画は、時間が経ってからまた読みたいです。
その時はまた違う共感ポイントがありそう。

豆大福が読んだ益田ミリさんの漫画の中で、
一番泣いた漫画となりました。

まとめ

益田ミリさんの作品
「ツユクサナツコの一生」について
レポートいたしました。

皆様の本選びや読書のお役に立てれば幸いです。

  • 32歳独身女性、
    ナツコの日々を描いた作品
  • コロナ禍あるあるを描き、
    その頃のことを思い出せた。
  • ナツコが描く漫画に、
    彼女の本音が詰まっていて共感した。
  • 人の生と死について考えるナツコの姿に
    自分を重ねてしまった。
  • 泣いてしまう人もいると思うので、
    外ではなく家で読むことをオススメしたい。

最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次