
『Nの逸脱』すっごい面白かった…
最近直木賞候補になった話題作を読んでみました。
惜しくも受賞は逃してしまいましたが、読んでみたらとてもハラハラして面白かったのです。
今回は、注目の作品『Nの逸脱』についてブログにしてみました。
『Nの逸脱』どういう本?


著者について
著者の夏木志朋(なつき しほ)さんは、1989年生まれの36歳。
高校を卒業してから、不動産会社に勤めたとのこと。
2019年『Bとの邂逅』でポプラ社小説新人賞を受賞。
2020年、同作を改題した『ニキ』でデビューしました。
『ニキ』は文庫版も含め16万部超えのベストセラーとなり話題に。(文庫版は『二木先生』と改題)
単行本2作目となる『Nの逸脱』が直木賞候補になりました。
今後の作品に注目が集まる作家さんです。
あらすじ
自ら仕掛けた罠が、思いがけない修羅場を呼び込んでいくー。
日常の小さな「逸脱」から始まる3つの短編集。
爬虫類ペットショップでアルバイトをする篤。
処分されそうなフトアゴヒゲトカゲを引き取りたいのですが、高額な金額に手が出ません。
ある日、店に来た「ある男」を見つけた篤は、彼を尾行し、金をゆすろうと画策します。
しかし自ら仕掛けた罠が思わぬ結末となりー。(「場違いな客」)
高校教師の智子は、生徒たちにいじめを受け精神的に追い詰められていました。
鬱々とする日々を送る中、深夜の満員電車で非常識な女性と遭遇。
冷静になることができず、思わず女性の跡をつけてしまいます。
跡をつけられている女性は、段々と智子の存在におびえ始めてー。(「スタンドプレイ」)
占い師である坂東イリスは、一見優秀そうに見える客の秋津から「弟子にしてほしい」と言われます。
秋津は見た目は優秀そうですが、実は何もかも器用にできず、色々とズレている女性でした。
クビにしようとするも、「自分を占い師にしてくれ」と食い下がる秋津に坂東がとった行動はー。(占い師B)
読後の感想


3つの短編ですが、どれもハラハラしてページをめくる手が止まりませんでした。
「場違いな客」と「スタンドプレイ」は、よく知らない相手を尾行し、追い詰める話。
自分の怒りや苦しみから、日々を「逸脱」する主人公が描かれていました。
主人公たちが抱えている問題は、痛々しくて、追い詰められたら人間ってこういう行動をとるのかも…と思ったり。
「場違いな客」では、男を尾行したその先の話が、意外な展開で、かなりハラハラしました。
「スタンドプレイ」も、女を尾行する主人公の行動に、ばれないのかとハラハラでした。
そして一番面白かったのが「占い師B」。
この本の中で、一番話の行く先が読めず「どうなっちゃうの⁉」とドキドキしました。
読んでいてい「こういう方向で話が進むのか」…と思った矢先、全然違う展開になり「あれ⁉」となったり。
占い師の坂東イリスと、占い師になりたい秋津のキャラがどちらも濃く、彼女らのやりとりが絶妙で面白いです。
この本は、ミステリーでもないし、ヒューマンでもないし、ジャンル分けが難しい作品。
それだけに、今まで読んだ作品と一味違い、なかなか楽しんで読めました。
とにかくどの作品もハラハラするので、そういった気分が味わいたいな~という方は、ぜひ読んでほしいです!
まとめ
今回は、直木賞候補にもなった話題作『Nの逸脱』について感想などをまとめました。
読んで良かったな~と思えた作品ですし、著者の他の作品も読みたくなりました。
これから夏木さんに注目していきたいです。
- 『Nの逸脱』単行本が発売中。
- 直木賞候補にもなった今作は、3つの話からなる短編集。
- 日々から逸脱した者が直面する、予想不可能な展開にハラハラすること間違いなし。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
↓最後まで読み、
その仕掛けに脱帽した作品↓

