「団地のふたり」に続き、
藤野さんの本を読みました!
こちらの小説、文庫の帯を読んで気になったん
です。
「夫婦あわせて もうすぐ180歳。三人の息子は、
全員独身。」と。
ほうほう、なかなか大変な家族のことが書いて
あるのかな!?
いや、私だってアラフォー独身、笑っていられ
ないわ…(;^_^A
どんな家族の話なんだろうと、気になって読んで
みて、とても面白かったのです!
今回は、藤野千夜さんの著書「じい散歩」シリーズ
をご紹介します。
「じい散歩」シリーズ 何冊出ている?
「じい散歩」シリーズは、
2冊の本が発売中です!
- じい散歩
- じい散歩 妻の反乱
↓1巻 文庫↓
↓2巻 単行本(文庫未発売)↓
2巻目は、家族のその後が描かれているので、
順番に読んだ方が良いです。
あらすじ
夫婦ふたり合わせた歳の数が、もうすぐ180歳の
明石新平と英子。
40代後半から50代前半の独身息子が3人います。
90歳目前の新平は、散歩が大好き。途中で喫茶店
などに寄り、美味しい珈琲や食べ物を楽しみます。
女性とのコミュニケーションが大好きな新平。
立ち寄った喫茶店で店員と話すのも楽しみの一つ
です。
毎日のように出かける新平について、妻は浮気を
疑っているのでした。
3人息子は頼りにならず、大事なことは新平が
決めます。
そんな中、英子に物忘れの症状が出てくるの
でした。
(1巻目「じい散歩」のあらすじです)
主な登場人物
新平 (主人公) | 89歳。息子に「健康オタク」と言われる程、健康体作りに余念がない。 自宅は椎名町にあり、池袋まで歩いて行ける距離。 男5人女4人きょうだいの長男として育った。 地元で家業(大工)を継ぐはずだったが、20代前半で英子を追って郷里を飛び出し、東京へ来た。 建築士の資格を取り、建設会社に勤めたのちに独立。「明石建設」を立ち上げた。 |
(妻) | 英子88歳。新平とは同じ町の出身で、家も近くて顔見知りだった。 11歳で両親を亡くし、東京で働いていた姉の元から女学校に通う。 女学校を卒業した後は郷里に戻り、新平と再会。 新平が17歳、英子が16歳の時に交際を始めた。 |
(長男) | 孝史52歳。幼い頃から体が弱く、神経質で対人恐怖症の気がある。 高校を中退した後は、ずっと定職につかないまま、実家に引きこもっている。 |
(次男) | 健二50歳。フラワーアーチストの自称長女で、男性が恋愛対象。 独立してフリーランスで働いている。 住まいも仕事場も、自分でよそに借りている。 新平のパソコンの不具合を直したり、英子の話し相手をする為、よく実家へ帰ってくる。 |
(三男) | 雄三48歳。以前は一人暮らしをしていたが、現在は実家にいる。 数年前までサラリーマンだったが脱サラし、グラビアアイドルを撮影する会社を興した。 毎月大変な赤字で、新平に何度も資金援助を頼んでいる。 生活習慣病まっしぐらな体系をしている。 |
※「じい散歩」時の状況です。
感想
いや~新平がめちゃくちゃ元気!ちゃんと毎朝体操
して、食べ物にも気を使って、とにかくよく歩く。
新平の散歩コースはその時々で変わります。
江戸川乱歩邸や自由学園明日館など、現存する
建物も描かれており、ちょっと行ってみたく
なりました。
建築士でもあった新平は、建物に興味があるので、
色々な建物を見て回るのが好きなようです。
そして休憩に立ち寄った喫茶店で、珈琲や食事を
楽しむ…これこそ理想の老後なんじゃない!?と
思いました。
ちゃんと歩けて、自分の目で見て楽しめる、そして
食事を美味しくいただけるって大事ですよね。
そんな新平ですが、家の方はちょっと大変そうな
感じでした。
引きこもりの長男には、強く言ってしまうことも
あったけれど、基本的に見守っています。
自称長女の次男は、男性が恋愛対象ということに、
なるべく理解を示そうとします。
借金まみれの三男には、自営業の苦しみも分かる
からと金を貸して、後悔し、もう貸さないと決めて
います。
なんだかこれだけ書くと、とっても大変そうな状況
なんだけれども、ユーモア溢れる文体に笑えて
きました。
(いや、よくよく考えると笑える状況じゃないんだ
けど、そこは小説なので(;^_^A)
その上、妻に物忘れも出てきたとなれば、
新平大変じゃないの!と読んでいる方は
心配になります。
藤野さんのインタビューを読んだのですが、
明石家や3兄弟にはモデルがいるとのこと。
新平は藤野さんのマネージャーで長年の友人の父。
3兄弟は藤野さんの家族がモデルだそうです。
実際にモデルがいるとは…このお年でこんなに
歩けるかな?とふと思ったけれど、実在するとは
頼もしい!
自分も新平のように、ずっと歩けるような体で
ありたいなと思いました。
3兄弟のうち、誰かに当てはまるお子さんを
お持ちの方もいれば、自分がまさにそうって方は
自身を重ねて読めるかも。
続編は、妻の介護が始まり、コロナ渦にもなり、
ますます波乱万丈な様子。
豆大福は、続編の最後の方で泣きました。
親のことを思ったら泣けてきたんです。
幅広い世代が楽しめる家族小説。
読んだら自分の家族のことを考える方が多いと
感じます。
まとめ
今回は、シニア世代やその子どもにオススメな小説
「じい散歩」をご紹介しました。
「団地のふたり」も好評だった、藤野千夜さんの
著書。ぜひ読んでみてください!
皆さまの本選びの参考になれば幸いです。
- 「じい散歩」シリーズ 2冊の本が
発売中。 - 夫婦合わせて180歳の2人とすべて
独身の3兄弟が織りなす家族小説。 - 主人公の新平が散歩するコースに行って
みたくなる。(実在する建物が出てくる。) - シニア世代からその子どもまで、幅広い
年齢層が楽しめそうな小説。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
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