吉田篤弘『月舟町シリーズ』読む順番まとめ|心に残る静かな物語たち

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読むと気持ちが落ち着く小説『月舟町シリーズ』

独特な世界観で読む人を魅了する、吉田篤弘さんの小説。

『つむじ風食堂の夜』は、出版された際に話題になったので、ご存じの方も多いかもしれません。

こちら、『月舟町シリーズ』として続編や番外編があるのです。

といっても、私も最近になってこの事実を知りました。

それで久々に以前の本も読み直してみたんですが、とても心が静かになって落ち着くシリーズでした。

今回は、そんな『月舟町シリーズ』についてまとめました。
疲れた時、ぴったりの小説です。

目次

吉田篤弘『月舟町シリーズ』とは?

舞台は、“月舟町”という架空の町が舞台です。
(第2弾は、主に月舟町の隣駅“桜川”が舞台)

シリーズ物で、3部作+番外編で合計4冊の本が出版されています。

主人公は、全て違う人物。
以前主人公だった人物が脇キャラとして出てきます。

日本が舞台ですが、どこか異国を思わせるような、リアルではない感じがハマる人にハマりそう。

『月舟町シリーズ』読む順番&
オススメの読み方

シリーズの読む順番

読む順番はこちらです

  1. 『つむじ風食堂の夜』
  2. 『それからはスープのことばかり考えて暮らした』
  3. 『レインコートを着た犬』
  4. 『つむじ風食堂と僕』(番外編)

シリーズ物ですが、それぞれ別の出版社から出されているのが、珍しいな~と思いました。

(2と3は同じ中公文庫ですが)

オススメの読み方

読む順番としては上記なのですが、オススメの読み方があります。

2と番外編は続けて読むといいなぁと個人的に思います。

というのも、2で主人公と深く関わってくる少年が、番外編で主人公だからです。

1~3は、単体で読んでも問題ないと思います。

ただ、3は1と2の様々な登場人物が再登場するので、それらを読んでいるとより楽しめました。

『月舟町シリーズ』各作品のあらすじ

1.『つむじ風食堂の夜』

月舟町の十字路の角に、ちょっと変わった名無しの食堂がありました。

十字路には、いつでも“つむじ風”がくるりと廻っているので「つむじ風食堂」と客たちは呼びます。

「クロケット」や「ポークジンジャー」を無口な店主は黙々と作ります。

食堂へ集まるのは、町の古本屋や帽子屋や果物屋の店主たち。

そして、月舟アパートメントに住む「雨降り先生」と呼ばれる青年。

「つむじ風食堂」を舞台に人々が織りなす、どこか懐かしくも感じる物語。

2.『それからはスープのことばかり考えて暮らした』

路面電車が走る町、桜川に越してきた青年・大里。

隣町である月舟町の「月舟シネマ」へ通う常連です。

実をいうと失業中の身で、映画館にばかり通っている場合ではないのですが…。

そんな時、商店街のはずれのサンドイッチ店「トロワ」のサンドイッチに出会います。

「トロワ」の店主やその息子リツ、アパートの屋根裏に住むマダム、「月舟シネマ」にいるポップコーン売り。

様々な人々と出会ううち、大里の生活にも変化が訪れます。

そして、銀幕の女優に恋した大里は、時をこえて一人のある女性と巡り合うのでした。

3.『レインコートを着た犬』

「月舟シネマ」の看板犬・ジャンゴ。

ジャンゴは密かに笑う犬を目指しています。
なぜ神様は犬に笑顔を授けてくれなかったのだろう…。

月舟シネマ、十字路に立つ食堂、古本屋、果物屋…。

ジャンゴは、様々な人に連れられながら、そこにいる人々を観察します。

ジャンゴだけが知っている事実があったりすると、やきもきしたりもします。

月舟町で繰り広げられる、雨と希望の物語。

番外編『つむじ風食堂と僕』

少し大人びた少年・リツは、桜川「トロワ」の店主の息子です。

12歳の彼は、大人たちにお小遣いをもらうと、隣町の「つむじ風食堂」へ行きます。

そこには様々な大人がいて、リツは彼らから「仕事」の話を聞くのでした。

話を聞き、リツは何を思い、何を考えるのかー。

「月舟町」シリーズの番外編。

『月舟町シリーズ』を読んだ感想

すごく、気持ちが落ち着く小説です。

夜寝る前に読んでもいいし、カフェで集中して読んでも心地良いのです。

架空の町「月舟町」は、日本のどこかなんですが、何だか異国の雰囲気も感じました。

リアルを感じさせない世界観は独特で、吉田篤弘さんワールドがあります。

取り立てて何が起こるわけでもない話なので、描きようによっては、つまらなくなる可能性もある。

でも、それをスラスラと読ませる吉田さんのセンスと言葉選びは、すごいなと思わされました。

3部作+番外編を全て読むのが一番のオススメです。

でも、強いてどれか1冊だけオススメするとしたら『それからはスープのことばかり考えて暮らした』。

口コミを見ていても、一番この本を推している方が多かったように思います。

これを読むと、美味しいサンドウィッチが食べたくなるし、スープも飲みたくなる。(飯テロ~)

主人公の大里とリツ君の関係もいいし、一番読みやすい小説だったかなと。

リアルに疲れた時は、おとぎ話のような話を読むと、リアルを少し忘れられるかも。

因みに本のカバーデザインは、吉田篤弘さんと妻の吉田浩美さんが担当されています。

どの本も綺麗なデザインだったり、可愛いイラストが描いてありとても癒されました!

映画化について&配信やDVD化、レンタルはしている?

2009年に『つむじ風食堂の夜』が映画化されています。

題名つむじ風食堂の夜
監督篠原哲雄
出演八嶋智人/月船さらら/
下條アトム/スネオヘアー 他

配信はしている?

2025年7月現在、配信はないようです…残念。
今後、配信があるといいな!

DVD化&レンタルはしている?

DVD化はしていました!

レンタル店でも取り扱いはあるようです。

因みにGEOの宅配レンタルでも、取り扱いはありました。

昔の作品なので、店頭にない可能性もある為、こういったネットで取り寄せるタイプは便利かもしれません。

まとめ

今回はホッと癒される小説、吉田篤弘さんの「月舟町シリーズ」についてまとめました。

リアルに疲れた時、ちょっとお伽話のような話を読んで、ホッとするといいかもしれません。

心が温かくなる小説で、疲れを癒してください。

皆さまの本選びの参考になれば幸いです。

  • 吉田篤弘さん「月舟町シリーズ」は、3部作+番外編で合計4冊発売中。
  • 月舟町という架空の町が舞台となっている。
  • 単体で読んでも大丈夫だが、番外編の前に2を読んでおくといいかも。
  • 個人的には、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』がイチオシ。
  • 『つむじ風食堂の夜』が2009年映画化している。(配信なし、レンタルorDVD販売あり)

最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

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