稲垣えみ子「魂の退社 会社を辞めるということ。」50歳で手に入れた自由

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面白いエッセイを読みました

最近、TVでもお見かけする稲垣えみ子さん。

アフロがトレードマークなので、
一度見たら忘れない風貌です。

豆大福は、今回ご紹介するエッセイ以前に
違う本を読んでいまして…

↓こちらのエッセイです↓

家事を楽にする「ラク家事」法が
沢山載っていて面白かった!

冷蔵庫や洗濯機、掃除機も無くし(!)
快適に過ごす様子が書かれています。

元朝日新聞社に勤めていたということもあって、
文章も読みやすかったです。

そんな稲垣さんが、どういった経緯で
大手新聞社を退職、無職となったのか。

興味があって読んでみました!

目次

稲垣えみ子さんについて

稲垣えみ子さんは、愛知県出身の1965年生まれ
(現在59歳)。

一橋大学を卒業し、朝日新聞社に入社。

論説委員や編集委員を務め、
2016年50歳で依願退職されたとのこと。

そんな稲垣さん、なぜアフロになったかというと、
懇親会でかつらを被ったのを機に
アフロにしてみたそう。

なんとも面白い方です(笑)

50歳で自身の今後を考え、退職するに至ります。

それまで住んでいた高級マンションから、
築50年のワンルームマンションに転居。

夫なし、子なし、冷蔵庫なし、ガス契約なしの
生活を送っている方です。

本の内容

最初に、何故自分がアフロになったかが
書かれています。(導入から面白い 笑)

そして「会社を辞める」と周囲に言った際の
反応も書かれています。

ここまでがプロローグ。

プロローグの最後には、こう書かれています。

「会社で働くことに疑問を持っている人、
自分も会社を辞めたいと思っている人、
そして一生会社にしがみついて生きていこうと思っている人。
この本が、すべての人に、改めて
「会社で働くこと」について
考えるささやかなきっかけとなれば幸いです。」

本は、プロローグ、その1~その6、
エピローグに大きく分かれています。

その1~その3は会社員時代の話が中心です。

生活としては、洋服や化粧品など買いたい放題。
外食など食べることに貪欲だった日々。

仕事では、出世競争やもっと給料をーーといった
欲望にまみれ、心身をすり減らします。

そして転勤を機に、考えが変わっていく稲垣さん。

その4~5は、辞めると決め、
実際に辞めた後のことが書かれています。

会社を辞めると言った時の周囲の反応。

また、不動産の対応や、辞めた後の
税金徴収額の多さについて言及。

「会社員」という枠から外れた時、
どうなったかが詳細に書かれています。

その6は「そして今」という章。

会社を辞めて1か月となった時の心境が
書かれています。

今後の展望も書かれています。

エピローグは、「無職とモテについて考察する」

これは、稲垣さん独自な気がするので、
あまり参考にはならないかもです。

でも、読んでいてくすっと笑えました。

また、文庫版のあとがきは、
59歳となった稲垣さんが現在の心境を
述べています。

そして解説は、1982年生まれのフリーライター
武田砂鉄さんが担当。

解説ーー絶対食ってけないだろ 武田砂鉄
という題名。

武田さんは、河出書房新社で勤務し、
退社後フリーライターになったのだとか。

解説では、稲垣さんの本の解説をしながら、
自身が会社を辞めた時のことにも触れています。

「会社を辞める」ということについて。
体験した人にしか分からないことが
書かれています。

読後の感想

まずは、文章が上手い!
さすが、朝日新聞社で働いていた方だ!
と思いました。

テンポ良い文章で、すらすらと読めて
しまいました。

共感し、頷いてしまったのが、
稲垣さんが「会社を辞める」と言った際の
世間の反応について。

本にはこう書かれていました。

「まずは、世間の反応。
カイシャ辞めるんです、と言うと、
最初のリアクションはほぼ同じなのだ。
一瞬の絶句。」

その後、色々言葉を続けて納得してもらったり、
安堵してもらったり…。

豆大福も、会社辞めたことあります。

それも、次の職場を決めずに辞めたもんで、
その時は「一瞬の絶句」やら相手が困惑…
といった状況がありました。

まだ若かったので「結婚とか?」など聞かれ、
違うと言うと、「じゃあ何で?」という反応。
(結婚ならいいんか?)

相手からは「納得する理由を聞かせてくれ~」と
いう願望が見て取れました。

「どうしたいかゆっくり考えたい」と言うと、
説教めいたことを言われたことも。
(何故説教受けなきゃいかんのだ)

何だか、稲垣さんの文章を読んでいると
「自分だけあの経験をしたわけじゃなかった…」と
ホッとしてみたり。

(全然会社の規模とか、
状況とか違うんですけどもね…(;^_^A))

辞めた後の税金問題についても書かれていて
「あれには絶望したな…」と振り返ってみたり。

(豆大福は弱小企業の薄給労働者なので、
税金の額は稲垣さんと比べて全然違うでしょうが、
それでも無職には辛かったのです…
自業自得なんですがね。。)

稲垣さんほどの、高給取りであれば、
税金はさぞ高額になったと予想します。

それを「鼻から牛乳」という言葉で
表現されていて笑ってしまいました。
全然笑い事じゃないんだけども!(笑)

あと、興味深かったのが「出世」についての話。

「ひと昔前の高度成長時代ならいざ知らず、
今時こんな出世競争をワクワクして
迎えられる人なんているんでしょうか。」
と書いてありました。

でも「そこそこで満足する」というのは
意外なほど難しいのです。
とも書いてあります。

自分以外の誰かが(同期、後輩など)
重要ポストについた場合、
自分がその誰かより「劣っている」と判断された、
ということになると。

会社で豆大福も
「色々他人と比べられて苦しんだ経験があったな。」
とまたまた振り返ってしまいました。

「あの人は、○○の資格を取るために
頑張っているらしいけど、
あなたは頑張ってる?」みたいに言われたり。

「もっと頑張んなくちゃ」とその時はなったけど、
会社は「そこそこで満足する」ってことを
許しちゃくれない。

そういう気持ちにならないように、
圧力をかけて煽ってきてる、
そんな気がしてしまいました。

だから「そこそこで満足する」というのは
意外なほど難しいのです。って言葉、
なんか分かるなと。

エリートな稲垣さんのはずですが、
こんな弱小企業勤めでも、共感ができたことが
凄いなーと(笑)

あとは、お金との付き合い方についても
学びになりました。

元々の給料が少ないので、バンバン使うってことは
なかったですが(ていうかできない)、
無駄遣いを削れば心の安定にもなるよね…とか。

色々考えさせられたし、
自分を振り返ってため息ついたり、
気持ちが大変なことになったエッセイでした(笑)

↓文庫発売中↓

まとめ

いかがでしたでしょうか。

何だか今回は、
自分の気持ちもかなり入ってしまって、
感想も長めになってしまいました。

会社で働いている方も、
以前働いていた方も、
どこかしらで共感できると思います。

皆さまの本選びの参考になれば幸いです。

  • 稲垣えみ子
    「魂の退社 会社を辞めるということ」
    50歳で大手出版社を辞めた時の状況が
    描かれている。
  • 辞めるに至った状況、心境の変化、
    周囲の反応、辞めた後の現実が
    詳細に書かれている。
  • 「会社で働く」ことを考える
    きっかけになるエッセイ。

最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

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