
あらすじ読んだだけですっごく気になり、一気読みした小説
主人公は、普通にいそうなアラフォー・独身女性。
そんな彼女が、40歳以上独身女性限定のシェアハウス「若葉荘」へ入居!という内容。
もうそれだけで読みたくなりました。
なんてったって(?)私も同じく、超~平凡なアラフォー独身女性なのです。
で、読んでみたら自分が感じてた不安や戸惑いが言語化されていて、「分かる…」と何度も頷いた。
今回は、共感が止まらなかった『若葉荘の暮らし』についてレポートします。
『若葉荘の暮らし』ってどんな本?


著者・畑野智美さんについて
1979年東京生まれの畑野智美さん。
2010年『国道沿いのファミレス』で小説すばる新人賞を受賞します。
また、2013年や2014年には吉川英治文学新人賞の候補となりました。
2015年に発売された『感情8号線』は、フジテレビでテレビドラマ化されています。
あらすじ
40歳を迎えたミチルは、小さな洋食店でアルバイトをしています。
独り身なので、なんとか食べていけていましたが、世界中で蔓延する感染症の影響で収入が激減。
貯金を切り崩しながら生活していましたが、それも限界がきます。
悩んでいたところ、知り合いに紹介されたのは、とあるシェアハウス。
それは40歳以上独身女性限定の「若葉荘」。
そこに住めば生活費は抑えられそうだけど…と見学へ行き入居を決めたミチル。
「若葉荘」では、それぞれ事情を抱えた女性たちが住んでいました。
彼女たちと関わるうちに、ミチル自身これからのこと、自分の幸せについて考えるようになります。
アラフォー独身女性として共感したこと


「分かる」…となった言葉の場所に付箋を貼っていったのですが、共感が止まらず付箋がいっぱいになりました。
例えばこんな感じ↓
刺さったセリフ・場面①
「就職するにしても婚活するにしても、全く求められていない。これから先、需要は減る一方です」
ミチルが若葉荘に入居する前、今の状況を嘆いた言葉がこれ。
分かっちゃいたけど、そうだよねぇ、と現実を突きつけられた気分に。
ミチルと一緒にため息をつきました。
刺さったセリフ・場面②
「悩んでも、結婚して子供がいるような友達は、自分のことなんて考えられないっていう感じだし。独身の友達に話せば、家があるからいいじゃんみたいに言われて、片付けられてしまう。悩み事が自分の中に溜まっていく。」
こちらもミチルの言葉。若葉荘に入居したけれど、まだまだ悩みは尽きない。
学生の頃や20代の時は、自分と友人の悩みは似たり寄ったりだったけれど、この歳になるとみんな状況が変わり、悩みも多種多様に。
「あなたはこれがあるからいいじゃない」ってなって、結局モヤモヤして終わるってこともあるよね…と共感。
刺さったセリフ・場面③
「建売住宅35年ローン買って、サラリーマンの夫と子供たちと一緒に暮らして、休みの日には子供たちが自転車に乗る練習をして、犬か猫を飼うっていうこともない。できないことは、わかるんだよ。その中で、どう生きていくのがいいか、悩んでしまう」
バイト先の後輩に漏らしたミチルの言葉。
アラフォーになって、自分が「こうなるのかな?」と思っていた未来と違ってしまった。
これからそれが起こることもない未来が見えた。
じゃあこれからどうする?どうしたい?と悶々とするミチルに共感。
先々が見えてきて、結婚して子供がいて家を買って…みたいな未来ってない。
こうなると、この先自分はどうしたら幸せなんだ?とちゃんと考えなきゃね…ってところ分かるなぁとなりました。
『若葉荘の暮らし』読んだ感想


昔のドラマや小説で登場するアラフォー独身女性って、バリキャリとか離婚して色々あったとか、そんな感じで描かれがちだった気がします。
仕事に全てを捧げたから独身…みたいな、そんな描き方。
出世するとかなく、普通に暮らしてる独身の人、ドラマや小説に登場しない。
それじゃつまんないからですよね、きっと。
うーん、段々ドラマや小説に感情移入できなくなってきたぞ…と思っていました。
そうしたら、最近アラフォー独身で普通の女性を主人公にしたドラマや小説、増えてきたように思う!
この小説の主人公も、いい意味で“普通”の女性。
正社員になったこともあったけれど、今は洋食店でアルバイトをしています。
仕事先の人間関係やその仕事が好きだけれど、感染症の影響で足場が崩れつつあります。
結婚をする予定もないし、この先自分がどうなるか心配…。
こんな感じの女性が主人公の小説、待っていました。
私だって、この先どうなるか分からない。
ミチルが「できないことはわかる」といったように、結婚して子供が生まれて家を買って…って未来、自分に来なそうって分かった。
じゃあ、どうしたら幸せって思えるんだろう?と模索するミチルに自分を重ねました。
この、微妙なお年頃の気持ち、10年前は想像できなかったな…。
結婚して子供がいて、バタバタな生活を予想していましたからね(;^_^A
現状を理解して直視し、その上でどうしたいか、何ができるか?を考え、行動する。
その上に「本当の幸せ」があるんだろうなと思いました。
それにしても、40歳以上のシェアハウス「若葉荘」がとってもいいとろこで。
こんなところなら、住んでみたいなと思いました。
こういう場所が増えれば、救われる女性いるんじゃないかな。(あるのかもしれんけど)
ということで、共感が止まらなかった、そんな小説でした。
さらっと読めて読みやすいですし、オススメです~。
まとめ
今回は、アラフォーが共感した『若葉荘の暮らし』についてレポートしました。
皆さまの本選びの参考になれば幸いです。
- 『若葉荘の暮らし』は、40歳独身の主人公が、40歳以上独身女性限定のシェアハウスに住む物語。
- 主人公が思う悩みが、自分ともリンクして共感が止まらなかった。
- 「若葉荘」のような場所があったら、救われる女性がいると思った。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
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